第4回大阪市立大学 女性研究者特別賞・奨励賞 [岡村賞] 表彰式・記念講演会を開催しました(2017年12月21日)

表彰式・記念講演会 開会の様子
平成29年12月21日(木) 第4回 大阪市立大学 女性研究者特別賞・奨励賞 [岡村賞] 表彰式・記念講演会 を開催いたしました。当日は、87名の方々が来場されました。(教員27名,学生30名,職員26名,学外4名)
本年度の受賞者は、以下4名の方々です。
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≪第4回大阪市立大学 女性研究者特別賞・奨励賞「岡村賞」受賞者≫
■特別賞
吉田 朋子 (複合先端研究機構 教授/人工光合成研究センター 副所長)
■博士研究員奨励賞
Isil TULUM (理学研究科 生物地球系専攻/複合先端研究機構 博士研究員)
■大学院生奨励賞
佐野 めぐみ (理学研究科 数学系専攻 後期博士課程3年/日本学術振興会特別研究員(DC2))
松本 優 (理学研究科 生物地球系専攻 後期博士課程1年)
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最初に、池上知子副学長による開会の挨拶が行われました。
本年度採択された、平成29年度文部科学省補助事業「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(牽引型)」において、共同実施機関(大阪教育大学、和歌山大学、積水ハウス株式会社)と連携して、女性研究者の研究力向上やワーク・ライフ・バランス支援などの取り組みについての説明がありました。また、今年で4年目となる今回の「岡村賞」について、今年度も多数の応募があり、優れた女性研究者の発掘の場としても定着してきていることや、また、この表彰制度を通して、女性研究者の研究を讃えるとともに、女性研究者育成やワーク・ライフ・バランスの環境整備の重要性を内外に発信し、社会貢献に寄与していただきたい、と述べられました。
次に、受賞者への表彰式が行われ、荒川哲男 大阪市立大学学長より、受賞者の方々に賞状と副賞が授与されました。続いて、荒川学長より祝辞が行われました。荒川学長は、受賞者へのお祝いの言葉と岡村賞の由来の説明の後、本学が進めている「イクボス宣言」「子育て支援」「研究者のダイバーシティ」について言及され、特に女性研究者が様々なライフイベントの際に感じる不都合を、良い方向に転じていけるような支援を検討・継続していくことを力強く宣言されました。
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【受賞者による記念講演会】
■大学院生奨励賞 松本 優さん(理学研究科生物地球系専攻 後期博士課程1年)
松本さんは、ヒト肺炎の原因となる菌であるマイコプラズマ・ニューモニエの表面タンパク質「P1アドヘジン」の原子レベルの構造の解明に挑んでいます。中学時代に出会った理科の先生がきっかけで生物学に進んだ松本さんは、「生物学の面白さをたくさんの人に伝えたい」という熱い想いを持っており、オープンキャンパスの際には相談会スタッフとして、若手女性研究者の育成にも積極的に関わってくれています。また、本講演の際には高いプレゼンスキルで会場を感嘆させ、研究力・行動力だけでなく高い「発信力」も松本さんの研究者としての魅力だと感じられました。
■大学院生奨励賞 佐野めぐみさん(理学研究科数学系専攻 後期博士課程3年)
佐野さんは前期博士課程の頃から、Hardy不等式など絶対不等式の分野の業績で海外からも注目を集め、現在は海外との共同研究も活発に行っています。講演では一般の方々にはなじみの薄い「数学」の世界について、Hardyの不等式を中心に、参加者にもわかるように丁寧に説明いただきました。また、世界各国で行われた研究集会に参加した経験を生き生きとお話され、世界にはばたく若手研究者として活躍されている様子からは、佐野さんの今後のさらなる活躍が期待されます。
■博士研究員奨励賞 Isil TULUMさん
(理学研究科生物地球系専攻/複合先端研究機構 博士研究員)
2014年6月から本大学の博士研究員として、また2014年10月からの2年間は、特任講師として研究と後進の指導に活躍されてきました。Isilさんが取り組まれているマイコプラズマ・モービレの遺伝子操作は、これまでにも同研究室で何人もの学生が挑戦してきたが誰もまだ成功していなかったものです。Isilさんはその原因を一つずつ丁寧に解決し遺伝子操作法を確立、最終的にはマイコプラズマの滑走運動に関する重要な知見を得られました。「人類のために役立てる人材である」という推薦者のコメントとともに、教育心理学を学ばれた経験を生かした学生指導を楽しみながら実践されている様子からは、研究者のみならず教育者としてのご活躍も今後さらに期待されます。
■特別賞 吉田 朋子先生(複合先端研究機構 教授/人工光合成研究センター 副所長)
複合先端研究機構の教授として、X線吸収分光学の第一人者としてご活躍されているだけでなく、本学の男女共同参画促進、女性研究者の研究力向上においても人工光合成研究センター副所長としてご活躍いただいております。X線吸収端近傍構造(XANES)を利用した定量的局所構造・電子状態解析法の開発に取り組まれており、放射線照射中の材料その場観察を可能とするin-situ 分光測定法を世界に先駆けて開発されました。本講演ではご専門である「X線吸収分光学」について図表を用いてご説明いただきました。また、ご自身のこれまでのご経験を、学生時代の大失敗や恩師からの言葉などを中心に、ユーモアを交えながらお話されました。特に「自らの素朴な疑問に基づいて研究をしても良いのだ、これほど楽しい職業は他にはない!」という若き日の先生の言葉からは、研究者としての道を選ばれたことへの幸せが感じられました。女性研究者のロールモデルとして、これからのご活躍にも注目させていただきたいと思います。
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最後に、宮野道雄 女性研究者支援室長(以下室長)より、閉会の挨拶が行われました。
宮野室長は、審査員として選考に関わられてましたが、選考は真に苦渋を極めたとのことです。各受賞者の方々への評価、および研究の実績や活躍などを称賛され、心から敬意を表しますと共に今後の一層のご活躍を祈念いたしますと受賞者へのメッセージを贈られました。
第4回大阪市立大学 女性研究者特別賞・奨励賞「岡村賞」 表彰式・記念講演会は、盛況のうちに幕を閉じました。

全員で笑顔での記念撮影
◆ YouTube動画を掲載しております。
https://youtu.be/7Ee5UA_x3XE
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■お問い合わせ
公立大学法人 大阪市立大学 女性研究者支援室
〒558-8585 大阪市住吉区杉本3-3-138
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