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【レポート】第1回研究者交流会「研究者にどうやってなるの?〜理系研究者の多様なキャリアパス〜」を開催しました(平成27年6月12日)

第1回研究者交流会

「研究者にどうやってなるの?〜理系研究者の多様なキャリアパス〜」

を開催しました(平成27年6月12日) 

 

◆プログラム

日時:平成27年6月12日(月)16:30〜18:00

場所:理学部E棟101(第9講義室)  

◆講師

・杉山由恵 博士(理学)

九州大学数理学研究院数理科学部門 教授/男女共同参画推進室 女性研究者支援部門長

大阪市立大学数学研究所 客員教授

・中臺枝里子 博士(薬学)

大阪市立大学複合先端研究機構/生活科学研究科兼任 テニュアトラック特任准教授

 

開催案内はこちらをご覧ください 。

 

女性研究者2名に現在に至るまでの進路選択について、当時の心境を葛藤や迷いも含めてお話いただきました。

◆参加者:50名

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◆開会あいさつ

平成27年4月より室長に着任した、鍋島美奈子 准教授(工学研究科)よりあいさつをしました。研究者にどうやってなったかは、一般性はなく100人の研究者に聞いたら100のストーリーがある。研究分野が異なっても、共通する点はたくさんあるのではないか、と話しました。

鍋島先生あいさつ写真:室長あいさつの様子

 

◆中臺先生 講演

中臺先生は、当時の写真を見せながら、幼少期から薬学部進学、企業就職、結婚出産を経て、アカデミア研究者としての独立するまでについて話しました。ご両親が理系だったため、あまり深く考えることなく理系を選択したそうです。

中臺先生_幼少期中臺先生_研究内容

写真:中臺先生 講演の様子

就職活動期に研究成果がなかなか出せず、アカデミア研究者としてやっていけるのか不安を抱いていたために、企業就職を選択したそうです。しかし企業では、商品を作ることが研究の大前提で、学生の頃とは違う研究へのモチベーションの持ち方に戸惑い、力不足も痛感したそうです。産後、職場復帰された後間もなく、本学への採用が決まり、ご自身の研究室を立ち上げました。現在は、学内の保育園に入園されたお子さんと一緒に大学へ通いながら、充実した研究生活を続けています。最後に、会場にむけて「研究者は特殊なひとばかりがなるわけではない」「企業とアカデミアでは研究のスタイルが違う」「進路は途中で変えられる」「研究者という職業は、意外にさまざまなライフイベントに対応しやすい」という実感を交えたアドバイスをしてくださいました。 

中臺先生のキャリアパスについては、インタビューでも語ってくださっています。

 > Vol.6 中臺(鹿毛)枝里子先生

 

◆杉山先生 講演

杉山先生は、キャリアパスと並べてライフパスを提示しながら話しました。研究者を目指したきっかけは高校一年生のとき。国語の女性の先生が、教え子の1人が京都大学の大学院へ進学し、研究者を目指していることについて語った内容が、大変魅力的に感じたそうです。

 杉山先生_スライドパスについて杉山先生_サバティカル

写真:杉山先生 講演の様子 

一見、研究者として順調な道を進んでおられるように見えましたが、大学進学時から、お父様からの理解は得られなかったそうです。猛反対を受けながらも、それでも夢を信じて突っ走ったのだと笑顔で話していました。学費はご自身が様々なアルバイトで準備されたとのこと。このアルバイト経験を通じて、研究者がどのような仕事よりも自分には魅力的だと実感したそうです。さらに、研究者となった後に取得したサバティカルでは、ドイツ・スペインにて、どっぷりと数学について考えることができた充実した時間を過ごし、高名な研究者とともに議論したこと、研究内外での学生さんとの関わり方について紹介しました。最後に、「幸せに人生を歩んでいることが一番の親孝行」「研究に専念することが幸せ」と話していました。

 

全体うしろから写真:会場の様子。たくさんの方が参加してくださいました。

 

◆質疑応答

学生から「女性が研究者を目指すときの壁はあるか」「留学したいが、英語のスキルに自信がない」などの声があがりました。前者の質問に関しては、お二人の先生とも「ない」と答えました。その理由として、女性限定のポストや助成金の公募があり、特に女性が少ない分野では名前を覚えてもらいやすいので、むしろ有利ではないかとのことでした。ただし、結婚後のパートナーと同居できるかどうか、また出産期をいかに乗り切るかについては、苦労があるかもしれないと付け加えていました。

後者の質問に関して杉山先生が、英語の聞き取りの強化には、日本語をほとんど話さなかったスペイン・ドイツにいたサバティカルの期間1年間がよかった。相手にわかってもらう英語を話すには、発音矯正の訓練に効果があったと感じた。また、ひるまず話すことが重要と返答しました。

中臺先生アップ            杉山先生アップ
写真:質疑応答時の先生方。終始なごやかな雰囲気で、交流会が行われました。

 先生方のお話から、研究者のキャリアパスとは、研究をめぐる教員をはじめとする様々なひととの出会い、そこで自分の道を邁進することの喜びのなかで作られていくものと感じました。

研究者交流会には、関心のある方は誰でも参加できます。今後の機会も、皆さんぜひご参加ください。 

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▼アンケートより▼

会場には、男性女性問わず学生・教職員以外にも、学外から保護者の参加がありました。

ここでは、アンケートに答えてくださった学生のコメントを中心に紹介します。多くの学生が、進学か就職に迷っている、研究者を目指している、という理由から参加してくださいました。その他に今後の進路を見直すために、という方もいらっしゃいました。

・実際の研究者が、どのような人生を歩まれているか知ることができてよかった。研究者の暮らしが、身近になったように感じた。

・研究者というと、企業の研究者をイメージしていたが、大学における研究者としての道についても知ることができた。また、両者の違いについても聞けてよかった。

・才能があるのか不安。結婚もしたい。そういう悩みが少し薄れた。もっとチャレンジしてもいいのではと思えた。

・自分の希望する進路を思い切って決断する事が大事だと感じた。

・研究分野は異なったが、研究に対する意欲など見習うべき事が多かった。

・親の説得の話についてもう少し例がほしかった。

・文系の研究者についても同様な講演を聞ければと思います。

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