2019年6月7日(金)(15:00-16:40)、大阪市立大学杉本キャンパス 学術情報総合センター10階研究者交流室において、「女性研究者短期留学報告会」を開催しました。

【会場の様子】

 今回の報告者3名は、『ふるさと寄附金を財源とした「グローカル人材育成事業(女性研究者支援)」女性研究者短期留学助成金』からの助成を受け、昨年度、海外の大学へ短期留学しました。また、この報告会は、グローバルリーダーの育成、共同研究の推進を趣旨とし、本年が3年目となる文部科学省 科学技術人材育成費補助事業「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(牽引型)」の一環として開催されました。

 当日は、本学の女性研究者3名に報告いただいた後、本学の男女共同参画担当副学長の池上知子先生をファシリテーターとしてお迎えし、質疑応答と意見交換の時間を設けました。

■ 報告者1

 濱野 佐知子准教授(大阪市立大学大学院理学研究科)

【2018年9月ストラスブール大学(フランス)、オーバーヴォルファッハ数学研究所(ドイツ)に約3週間滞在】

報告タイトル:
「ドイツ・フランスでの『開リーマン面のモジュライを用いた多変数関数論』の情報発信」

【濱野 佐知子准教授】

【濱野佐知子准教授】

 複素解析、多変数関数論がご専門の濱野先生は、留学先のストラスブール大学と、オーバーヴォルファッハ数学研究所で研究発表や研究交流を行ってこられました。

 特にオーバーヴォルファッハ数学研究所は、森の中に位置しており、誘惑の全くない中で数学のみに集中できる世界的にも貴重な環境であったとして、大変充実した日々を過ごすことが出来たそうです。世界的な数学のスペシャリストばかりが集う環境の中で、数学に没頭する日々を過ごすことが出来たことは、先生にとって大変貴重な経験となったようです。

 終始、心の底から楽しそうにお話しされる姿が大変印象的で、数学が好きという先生の気持ちがよく伝わってくるご報告でした。

 

【東島 沙弥佳助教】

【東島沙弥佳助教】

■ 報告者2

 東島 沙弥佳助教(大阪市立大学大学院医学研究科)

【2018年8月アデレード大学(オーストラリア)に約1か月間滞在】

報告タイトル:
「コアラのしっぽに魅せられて―しっぽで繋げた人と謎―」

 「ヒトはどのように尻尾をなくしたのか」というリサーチクエスチョンの解明に向けて研究を進めておられる東島先生は、オーストラリアのアデレード大学でコアラの尻尾の研究を行った成果報告をなさいました。

 留学先では日本では珍しいコアラを数多くじっくりと解剖することができ、リサーチクエスチョンの解明に向けてかなり前進できたとお話しされました。さらに、思いがけずオーストラリアの医学生向けの授業に参加出来たり、現地の先生に珍しい標本を提供いただいたりと、予期していなかった収穫も得られ、今後の研究に大いに役に立ちそうなネットワークが出来たようです。

 現地に行って初めて得られる様々な成果を上げ、帰国後も現地とのネットワークを生かしてご自身の研究にまい進される姿は、これから留学に行こうとする若手研究者にとって大変興味深く、励みになる内容でした。

 

■ 報告者3

 齋藤 直子特任准教授
 (大阪市立大学人権問題研究センター)

【2018年9月メキシコ国立自治大学(メキシコ)に約3週間滞在】

報告タイトル:
「メキシコの研究者と交流して見えたこと」

【齋藤 直子特任准教授】

【齋藤直子特任准教授】

 部落問題、家族社会学がご専門の齋藤先生は、部落問題についてメキシコにおけるアジア研究・人権問題研究との接続の模索と「人権の副専攻」構想のための資料収集のために留学されました。

 一見、日本の部落問題とメキシコの先住民問題は全く違うようですが、現地の研究者との交流の中で、自らのアイデンティティの中に被差別グループが含まれているにもかかわらず、差別をするという共通項が見えてきたそうです。また、滞在中には偶然「大学と暴力」を巡る大規模デモが学内と市内中心部で行われ、その様子を資料として写真・動画撮影することが出来たとのことでした。

 現地で得られた共同研究のネットワークを帰国後も活かし、国際的共同研究に発展させていかれるそうです。また、英語が苦手でも趣味のスペイン語ならということでメキシコへの留学を決められたというお話は、英語が苦手な受講者にとっては大変励みになる内容でした。

 

【意見交換会の様子】

【意見交換会の様子】

 その後の質疑応答・意見交換の時間では、池上先生が各先生方に質問とコメントをなされ、合間に参加者からの質問も出ました。

 参加者からは、次のような感想をいただきました。

*機会があれば応募したい。

*留学生活についてだけでなく、専門分野についてのお話も伺えて面白かった。