今年2月に開催された、文部科学省ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ事業(牽引型)キックオフシンポジウムに基調講演講師として招聘したウィスコンシン大学マディソン校(UW-Madison)WISELIのCo-Director、Prof. Amy Wendtに、補助事業に関わる国際アドバイザー就任の正式依頼を行うとともに、UW-MadisonのCollege of Engineeringと本学工学研究科とのMOU(学術交流協定)締結、女性研究者リーダー育成事業ワークショップ視察(オブザーバー参加)・意見交換等のために、6月25日~27日の3日間、同校を訪問しました。
WISELl:Women In Science Engineering Leadership Institute

■日程 平成30年6月24日(日)~29日(金)【現地滞在:6月24~28日】

■大阪市立大学からの訪問者
 折原 真子 (大学運営本部 事務部長)
 鍋島 美奈子(工学研究科 都市専攻 准教授)
 西岡 英子 (女性研究者支援室プログラムディレクター、特任准教授)
 工位 武治 (研究支援課 特任教授、URAセンター・シニアURA)

<第一日目 6/25> 

〇Prof. Amy Wendt (College Engineering), WISELI, Co-Directorへの国際アドバイザー就任にかかる委嘱状交付


IMG_2621国際アドバイザー委嘱状をWISELI Co-Director、Prof. Amy Wendt(右)に手渡す
折原真子・大学運営本部事務部長(左)


 今年2月に開催された、文部科学省補助事業のキックオフシンポジウム以降、女性研究者支援室との交流・連携を続けてきたProf. Amy Wendtの国際アドバイザー就任式をWISELI関係者全員の出席のもとに執り行いました。
 補助事業期間中国際アドバイザーとして、本学のダイバーシティ推進に関連して、女性研究者支援室スタッフ等との事業達成のための評価へのアドバイス依頼、及び今後本学で開催する講演会、女性研究者との懇談会などへの講師依頼など国際アドバイザーとの業務を確認し、折原真子事務部長は、国際アドバイザー委嘱状をProf. Amy Wendtに手渡しました。

〇WISELIメンバーとの女性研究者支援に関する意見交換

■WISELIメンバー
 Prof. Molly Carnes (Co-Director, MD)
 Prof. Amy Wendt (Co-Director)
 Dr. Jennifer Sheridan (Executive & Research Director)
 Dr. Eve Fine (Associate Researcher)


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  人事選考に関わる文化や考え方の違いについて、       Meeting 終了後WISELIのメンバーと
  活発な質疑応答も。


 国際アドバイザー就任式の後、折原真子事務部長より、大阪市立大学の概要、女性研究者比率や上位職登用に関わる調査結果などのデータをはじめ、昨年度からスタートした和歌山大学、大阪教育大学、積水ハウス株式会社の連携機関との文部科学省補助事業の説明を行いました。(説明資料はこちら)女性研究者支援室では、WISELIの、「優秀性と多様性に向けた人事選考の10の心得」をいち早く翻訳し、WEB上で紹介してきました。
 一方、2002年に設立して以来、UW-Madisonにおける女性研究者雇用比率を急速に向上させてきたWISELIの取り組みがWISELIスタッフから紹介されました。特に、大学研究者の公募段階でいかに多くの女性研究者に応募してもらうことができるかが、その後の選考過程・結果を左右する前提条件であることが力説されました。
 WISELIは、プログラムナショナルサイエンスファンデーションの5年間の補助金を得て、医学部、農学部、工学部の3つの大きな学部が合同で始めた長期的なプログラムです。女性研究者を増加させるためには、教員を採用する人事選考方法を変える必要があるという認識から、Hiring Workshop(多様な人事選考を進めるためのワークショップ)、Unconscious Bias(無意識の偏見)に関わるワークショップなどを実践してきました。このHiring Workshopは、Search Committee(人事選考委員会)発足から、申請・公募方法、議論の方法まで、あらゆる段階で、変化を生み出すことを目的としています。客観的なデータと心理学、社会学などの研究に基づいたワークショップの実践やその成果の評価方法が高く評価されてきました。WISELI創設者の一人である、Prof. Molly Carnesは、「現在、多くの学部で、Hiring Committee(人事選考委員会)のメンバーの一人は必ずワークショップに参加することになっています。また、ウィスコンシン州の20大学の医学部各科にワークショップを提供し、3ヵ月後に調査し、半年後にはティーチングをして、独自に実施できるようにしています」と説明しました。
 大阪市立大学側からも、Hiring Workshopの受講の対象者、受講の強制力などについて質問を行い、文化や考え方の違いを含めて、活発な意見交換を行われました。

〇Hiring Workshop(多様な人事選考を進めるためのワークショップ)へのオブザーバー参加

 この日の午後、Hiring Workshopに日本の大学や研究機関メンバーとして、初めて参加しました。今回のワークショップ(所要時間:3時間)には、いろいろなdepartments、部局から19名(うち9名が女性)の教員が参加しました。WISELIのProf. Amy Wendt及びDr. Eve Fine(Associate Researcher)の2人がファシリテーターを務めました。

 2つのグループに分かれて、冒頭に自己紹介と各学部のHiring Committeeの状況説明を行い、ファシリテーターがWISELIの活動紹介を行いました。第一部では、効果的で効率的なSearch Committeeの運営方法や、優秀性(Excellence)とダイバーシティ(多様性)の視点での候補者の枠を広げるためのリクルート活動についてのレクチャーが行われました。Search Committeeへの出席、決定方法、人事選考プロセスにおける委員会の役割といった初期段階の留意事項をはじめ、ダイバーシティや平等性への責任、評価基準や面談の質問の開発などといったSearch Committeeの責任や、ダイバーシティを促進する利点などについて、説明しました。優秀性とダイバーシティが互いに背反するものではなく、ダイバーシティを促進することにより優秀さが増大することや、その理由を具体的に挙げました。レクチャーの後にグループディスカッションを行い、個々の体験談などを披露しました。
 休憩をはさんで、第二部では、Unconscious Bias (無意識の偏見)をテーマに、履歴書や推薦状の評価におけるバイヤスについて、第三部では、バイヤスを最小限にして、ダイバーシティの視点での人事選考を可能にするための10の戦略について、Dr. Eve Fine(Associate Researcher)がレクチャーを行いました。途中、大学トップの上級職員(Provost)から、大学全体のDual-Career Couple支援策などについての説明もありました。グループごとに、人事選考について、活発な意見交換や質疑応答も行われ、講師がアンケート調査や文献をもとに丁寧に回答し、理解を深めることに腐心していました。

<第二日目 6/26

MakerSpace、The Discovery Buildingの施設見学


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   イノベーション創出のための大学内施設を見学(写真左、中央はGrainger EngineeringのDirector)


College of Engineering内で運営されているデザイナーと作り手のコミュニティ施設「Maker Space」
 Grainger EngineeringのDesign Innovation Laboratory、“MakerSpace”を見学しました。 この施設は、商品開発の試作品づくりを支援するために、3Dプリンター、レーザーカッター、工作機械、バーチャルリアリティハードウェアなど、幅広い最新のハイテク機器が使用できるスペースが完備され、学生や教職員などに開放されています。Labの運営は、学生に大幅な裁量が与えられているなど運営にも画期的な工夫がなされていました。

科学的イノベーションのために多彩なプログラムを提供している「The Discovery Building」
 また、研究者・企業家等のためのコラボレーションスペースとして2010年にオープンした「The Discovery Building」の見学も行いました。社会のための科学的知識や解決方法を発展させるための研究領域を超えた共同作業を推進するため、大学の枠を超え、卓越した共同活動が行うためのスペースです。サイエンスプログラムは、若者や老人のためのイノベーション創出の機会を与えており、毎年何万人もの地域の人々に提供されています。地中熱ヒートポンプの設置など、省エネルギーシステムを導入した施設で、米国グリーンビルディング協会(USGBC)が主催する環境認証の1つ「LEED CI(Commercial Interiors)」において「Gold」を取得しています。Directorによると国際的な視野でのスペース、facilities利用にはまだ前例がないが、利用のスキームについては検討の余地はあるとのことでした。

〇College of Letters & Sciencesの化学系女子大学院生とのダイバーシティに関する意見交換


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ファシリテーターのProf. Silvia Cavagnero(写真左中、右から3人目)と化学専攻大学院生


 昨年6月に大阪市立大学の女性研究者国際懇談会の講師として招聘したProf. Silvia Cavagneroと化学系大学院生等との意見交換では、すでに大学は休暇中にもかかわらず大学院生・学部生11人(男性2名を含む)が参加し、活発な意見交換が行われました。折原真子事務部長によるパワーポイントを使った大阪市立大学の概要や女性研究者の現状の説明後、あらかじめ配られていた、本学からの質問事項に対する質疑応答を行いました。
 「ネットワーキング、専門能力開発、問題解決のための女子学生を支援するための大学院生の組織はあるか」との質問には、女性院生が「教授と一緒に朝食を取ったり、企業と連携して、専門能力開発のイベントを開催したりしている」と答えました。その他にも、学内にマイノリティや女性を対象に、個人の問題を共有し、エンパワメントするためのサポート組織や、海外やマイノリティの学生の全国的なサポート組織が紹介されました。 
 「理系を目指すようになったきっかけは」との質問では、「小学生のときに一番、難しかった科目が化学だった。それに挑戦したかった」「小学生のときに化学分野のコンクールがあり、それで目覚めた」と様々な動機を語ってくれました。鍋島美奈子准教授も「子ども頃から住居・デザイン・プランニングの本が読むのが好きでした。大阪市立大学の居住専攻に入学したが、自分にはデザインのセンスはないとわかったので、今では建物の設備と温熱環境の研究をしています」と自身の体験を語ると、学生たちは聞き入っていました。
 「博士号を取得するメリットは」との質問には、「博士課程まで行くと、思考に柔軟性が出てくる。クリエイティブな分野にも挑戦でき、大きな視野に立ち、仕事を選ぶことができる」との意見が出ました。さらに、「女性として不利益を感じことがあるか」との質問には、「女性大学院生数が全体2割という割合は、1980年代から変わっていない。男性だと自信をもとにしたリーダーの能力が評価されるのに、女性は評価されない。子育てに関わる費用も高い」「育休で長期休暇を取ると、リサーチに真剣でないと周囲に思われる」との声も。学生からは、「子育て中の女性大学院生はいますか。どのような問題がありますか」などの質問があり、西岡英子プログラムディレクターが大阪市立大学の女性大学院生の声を紹介しました。女子大学院生の子育てと研究の両立に関しては、共通する課題も多いことがわかりました。出席した学生全員が自らの意見を率直に述べる姿が印象的でした。ファシリテーターから、今回のMeetingではじめて自らの困難をあからさまに語ってくれたマイノリティ女子学生のことを知り、早速対応をしたいというハプニングもありました。2時間を超えるMeeting終了後、化学科棟に設置された、授乳室を見学しました。

<第三日目 6/27

〇International Internship Program, International DivisionのMichelle Kern Hall DirectorとのBreakfast Meeting

 UW-Madisonから、日本の大学や企業の研究機関へ研究者を派遣する仕事に従事しているDirectorと朝食を兼ねた面談を行いました。派遣された後の手厚いケア(日本現地を訪問して問題の解決、メンタリングも行うなど)も紹介され、派遣の効果をtrackingする重要性を指摘された。本学として、UW-Madisonから研究者などを受け入れる際の重要な、国際協力の窓口になる可能性を認識しました。

〇Wisconsin Energy InstituteのLab見学


★IMG_2898Wisconsin Energy Instituteにて(写真中央は、Mary Banchard Associate Director)


 Wisconsin Energy Instituteは、自然採光で照明エネルギー削減や節水を行うなど、サスナビリティに配慮した、先端的な技術を取り入れた建物になっています。大学全体では、バイオエネルギー関連だけで研究者は100名もいますが、細分化された研究領域が異なっています。そうした研究者のネットワークを促進するためのハブ施設ともなっています。
 教育面では、学部の副専攻として、地域エネルギー資源のためのソーラシステムのプロジェクトへの参加、大学院生向けに、風力発電などに関心のある学生には、ビジネスプランを立てる支援もしています。学生にはラボでの経験やプレゼン演習、高校の先生には教材に関する宿泊学習も行っています。
 バイオマスの研究や次世代電池の研究、マイクログリッドに関するシミュレーション実験装置について、Lab見学を行い、バイオマス関連の大規模データ管理の仕組みからエネルギーに関する研究のマッチングやコーディネートをしていることに至るまで、Mary Banchard Associate Directorから詳細に説明していただきました。

〇Prof. Tracey Holloway環境研究及び大気・海洋科学、地球科学女性ネットワーク(ESWN:the Earth Science Women’s Network)創設者)との女性研究者支援に関する意見交換


IMG_2903Prof. Tracey Holloway(右端)との意見交換の様子


 SAGE (Center for Sustainability and the Global Environment), Nelson Institute for Environmental Studiesを訪問し、Prof. Tracey HollowayにESWNの取り組みについて、ご紹介いただきました。冒頭、去る6月25日に、PAESMEN Award (The Presidential Award for Excellence in Science, Mathematics and Engineering Mentoring)がESWNに与えられたことが紹介されました。Prof. Tracy Hollowayは、2002年、アメリカ地球物理学連合(AGU)のワシントンDCでの会合で出会った同じ関心と目標を持つ6人の女性研究者により、ESWNを発足しました。研究テーマだけでなく、仕事、家庭、生活など、広いテーマで交流を続ける中で、ピアメンタリングネットワークの利点を認識した草の根的な活動を拡大しました。電子メールで会員を倍増させ、現在では、全米、60ヵ国以上の総合大学、カレッジ、政府機関などの会員が3000名にまで増えました。
 女性研究者のメンターがピアメンタリングと科学分野との連携を模索する中で、就職情報や専門家としての生活や、会議の協力者を見つけるためのコミュニティWebサイトが構築され、世界中でアクセスされています。
 Prof. Tracey Hollowayは「結婚、出産などで変化があり、移動する度に、女性は決断を求められます。文化的、個人的なことだが、男性社会で機能したことも女性にとって機能しないこともあります」と話します。「科学界で優秀さが認められるためには、賞の受賞が必要であるが、推薦者がいなければ受賞しない。推薦者の多くは年齢の高い男性で、若い女性はどうしたら推薦されるか知識がない場合も多い。それを解決するために、推薦委員会委員の女性を増やすことが重要です。こうした様々なUnwritten Rules (暗黙の了解)を可視化・表面化し、Written Rulesを作らないと進歩はないでしょう」と、限られた面談の時間内に雄弁に語りました。
 Prof. Tracey Hollowayに日本の女性研究者の状況を伝え、ディスカッションする中で、女性研究者同士のピアメンタリングの実効性やネットワークの重要性を共有しました。

〇WISE(Women in Science&Engineering)の取り組み
注:WISEは、WISELIとは異なる。


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    Prof. Kristyn Masters(右)との質疑応答の様子  Prof. Kristyn Masters(右から3人目)を囲んで 


 Prof. Kristyn Masters(Department of Biomedical Engineering、元WISE Director)から、理工系1、2年の女子学生を対象とした学内の女子学生支援団体「WISE」の取り組みについて、お話をうかがいました。
 WISEでは、サイエンス、テクノロジー、エンジニアリング、数学に関心のある女子学生が入寮しながら、ともに体験、生活、学習することができます。専攻に入る前からジェンダー問題を認識している女子学生がサポートを求めて応募する場合が多く、入寮希望者は収容人数の3倍とのことです。
 この寮には、学生へのピアメンターのほか、寮のスタッフ教育スタッフプログラムコーディネーターや教員のアドバイザーも配置しています。研究支援の一環として、成功している女性研究者を招いたセミナーでは、学生の相談をもとに、特に研究する上での失敗談や障害になったことについて話してもらっているそうです。また、80名の女性研究者・教授を招き、学生と一緒に会食や会話をする機会を設け、ネットワークやメンターとしての関係づくりにも役立てています。地域の企業家を招いたセミナーも行い、アカデミック以外の様々なロールモデルを知り、多様な仕事のイメージできるようにしている実績を紹介していただきました。
 Prof. Kristyn Mastersは、「入寮者同士が関係を深めるための絵を描くワークショップなどもしています。そうした活動を通じて、寮を出た後も、キャンパス内で互いにつながりを保ち、時にはメンターとして活躍しています」と話してくれました。

 〇大貫-Tierney恵美子・文化人類学部教授と本学文学部・研究科研究者との連携に関する意見交換


IMG_2920大貫-Tierney恵美子教授(左から3人目)を囲んで


 関西出身の大貫-Tierney恵美子教授は、約60年前に渡米し、圧倒的に日本人アカデミアが少ない時代に、UW-Madisonにて研究教育職に採用され、比較文化学的に、斬新な観点で日本の文化を掘り下げてこられた一人者です。1985年に「日本人の病気」でサントリー学芸賞を受賞。「コメの人類学 日本人の自己認識」「ねじ曲げられた桜 美意識と軍国主義」などの著書があり、現在、新刊を刊行予定されているとのことでした。本学文学研究科の気鋭の女性研究者との交流を契機とした今後研究交流の可能性、現在執筆中の本の紹介や、大学におけるダイバーシティの推進の動向、その必要性について、短い時間でしたが意見交換を行うことができました。識見の高さがたたずまいからにじみ出るような方で、今後の来阪の可能性の要請に、前半期の講義担当をしていない時期であればいつでも対応できるという前向きなご返事いただきました。

〇工学研究科、女性研究者の国際的共同研究のための打合せ

 鍋島美奈子准教授は、女性研究者(Prof. Asligui Gocmen、Prof. Joy Altwies、及びProf. Tracey Holloway)と、6月26日、及び6月27日にそれぞれ個別に研究室を訪問・面談し、自身の研究に関するプレゼンや、今後の共同研究に向けた意見交換を行いました。「女性研究者の一人は、緑被の連続性と気温の関係に興味を持ってくれました。シカゴなどの都市との国際比較など、新たな視点が生まれ、共同研究の提案もできました。今後、共同研究費のための活動を行い、本学への招聘もできれば」と鍋島准教授は意気込んでいました。

〇College of Engineeringと本学工学研究科とのMOU締結式


Prof. Ian Robertson工学部長(右から2人目)とのMOU締結式後の集合写真


 College of Engineering内のDean執務室隣接のMeeting Roomにて、Prof. Ian Robertson(Dean:工学部長)と面談を行った後、MOU締結を執り行いました。
 長﨑健・本学工学研究科長の代理で、科長の親書を持参した鍋島美奈子准教授は、「この度は、大阪市立大学大学院工学研究科とMOUを締結していただき、誠にありがとうございました」とお礼を述べ、Prof. Ian Robertson(Dean:工学部長)に親書を手渡しました。Prof. Ian Robertson(Dean:工学部長)は、「皆さんに大学にお越しいだだき、大変うれしく思っております」と歓迎の意を示しました。
 鍋島美奈子准教授は、工学研究科の女性研究者8名の「Requests for Collaboration」を示して紹介しました。Prof. Ian Robertson(Dean:工学部長)が「工学研究科の全体のうち、女性は何人ですか」との質問に対して、「約100名に対して8名です」と鍋島美奈子准教授は答えました。それに対して、Prof. Ian Robertson(Dean:工学部長)は、「本学は、現在200名中、女性研究者は40名です。5年前までは12%程度でしたが、この5年間で20%に上昇しました。4年前までは、女性研究者比率は、米国中西部の大学では中程度のレベルでしたが、エンジニアリングの分野ではトップになりました」と、多様性追求の効果を実証的に話しました。
 なぜ女性研究者比率が増大したかの質問に対し、「女性の数を増やすというよりも、教授の人種の多様化に取り組んでいました。教授に変化を起こすことはいいことだと納得してもらうことがとても重要でした。もう一つは、少なくともSearch Committee(人事選考委員会)委員は、WISELIの雇用に関するトレーニング(多様な人事選考を行うためのワークショップ)を受けなければならないと決めました。この2点に集中することで変化が起こりました」と話され、多様性を積極的に導入することが大学の研究レベル改善に波及することに言及されました。なごやかな雰囲気の面談の後、MOU締結を執り行いました。

 UW-Madisonに滞在したのは、丸まる3日間という短い時間でしたが、必要十分条件を満たすかのようにびっしりとした、米国式のスケジュール(WISELI側のhospitality)をこなした結果、訪問初期の目的以上の成果が得られました。