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【レポート】第2回研究者交流会「女性研究者の近・未来――[岡村賞]受賞者を迎えて」を開催しました(平成27年11月20日)

第2回研究者交流会「女性研究者の近・未来――[岡村賞]受賞者を迎えて」

 

日時:平成27年11月20日(金)13:30~15:00

場所:大阪市立大学 学術情報総合センター1階 文化交流室

内容:受賞者3名によるプレゼンテーション
[特別賞] 要田 洋江(生活科学研究科 総合福祉・心理臨床科学講座 教授)
[博士研究員奨励賞] 前田 友梨(理学研究科 物質分子系専攻/日本学術振興会特別研究員)
[大学院生奨励賞]澤田 彩(経営学研究科 グローバルビジネス専攻 後期博士課程3年)

開催案内はコチラ

女性研究者支援室では、研究者同士の交流の機会として「研究者交流会」を開催しています。第2回は「女性研究者の近・未来」と題し、第2回大阪市立大学女性研究者奨励賞・特別賞(通称[岡村賞])*の受賞者3名を迎え、「研究」と研究をめぐる「これから」について話していただきました。参加者数は、約40名でした。以下は、本交流会の開催レポートです。
*本学では、昨年度より優れた研究活動をおこなう女性研究者の表彰制度が創設されました。教育後援会へご寄付くださった岡村千恵子さんのお名前をとって[岡村賞]と呼んでいます。

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澤田彩さん

大学院生奨励賞を受賞した澤田彩さんは、本学商学部を経て、現在、経営学研究科グローバルビジネス専攻後期博士課程に在学中です。澤田さんは研究と育児の両立を実践されており、自らの経験を活かしてライフイベントを抱える研究者の支援、ワーク・ライフ・バランスをテーマとしたワークショップの企画設計を行うなど、男女共同参画の推進にも積極的に取り組んでいます。

プレゼンテーションでは、「院生・母・妻の両立を目指して」と題して、現在行っている研究と、いくつもの役割の中での試行錯誤について話しました。澤田さんは学部生の頃に「人々を豊かにするはずの経済活動が、人々を苦しめる諸問題(公害・環境問題・貧困・格差)を生み出しているのは何故だろう」と疑問を持ち、現在はその問いを深化させ、太陽光発電システム市場と同市場拡大政策について、日・独・米の国際比較研究に着手しています。印象的であったのは「研究も育児も初心者であるから、両方こなし続けるのはとても大変」と話された点です。澤田さんは「本人の強い意志が重要であるが、周囲のサポートのおかげで研究を継続することができた」と謝意を述べました。ライフイベントに対する支援のみならず、若手研究者に対する研究支援(スキルアップや研究費獲得のための情報交換など)も重要と改めて気づかされました。

 

前田友梨さん

博士研究員奨励賞を受賞された前田友梨さんは、本学理学部卒業後、大学院理学研究科へ入学し、後期博士課程へ進学しました。平成26年度からは日本学術振興会の特別研究員に採用されました。これまでに国内外において多数の研究発表を行い、国際会議ではポスター賞も受賞しています。将来の活躍が期待される理系の若手研究者です。

プレゼンテーションでは、「複数の金属イオンをもつ金属錯体の研究」と題して、研究課題である「多電子電解還元触媒能を有するN-ヘテロ環カルベン(NHC)錯体ユニットをもつ三重架橋硫黄配位子含有多核錯体の創成」について話しました。前田さんは「できるだけ難しくないように」と心がけ、この分野についてほとんど知識をもたない参加者もいるなか、誰もが興味を惹かれるプレゼンテーションをしました。発表の最後には、お世話になった先生方へ感極まった様子で謝辞を述べました。会場の女子学生からの質問に対しては、進路選択のうえで最も重要な点を「研究室選び」と回答し、「研究は、誰でも始めれば楽しくなる。研究の内容も大事だけれど、教えてくださる先生や先輩方との相性がとても大切。応援してくださり、そして頑張った成果を発表まで導いてくれる研究室を選ぶこと」と、後輩へメッセージを伝えました。

 

要田洋江先生

特別賞を受賞された要田洋江先生は、本学大学院生活科学科教授であり、社会学の領域において、先駆的にジェンダーの視点を踏まえた障害者問題研究の領域を確立しました。現・人権問題委員会の基礎となる、本学における「婦人問題委員会(のち女性問題委員会)」発足の直接の発案者であり、要田先生の研究業績および学内運営におけるご活躍は、本学の女性研究者の地位向上に多大な貢献を果たしてきました。

プレゼンテーションでは、「わたしの研究の歩み――人々の出会いと日本社会への疑問」と題して、先生の研究史が紹介されました。本学で始まった研究生活では、助手の立場で共同研究することの難しさから「ひとり学際」を志したそうです。量的研究から質的研究へ、また既存の学問の垣根を越えて研究に取り組み、その成果は、大著『障害者差別の社会学――ジェンダー・家族・国家』(1999年、岩波書店)や、新たな近代知の枠組みを問う「障害学会」「福祉社会学会」の立ち上げにつながりました。現在、集大成としての研究に取り組んでいるそうです。近代の人間観や社会観を問い直し、共生社会を志向するビジョンは壮大かつ挑戦的で、その一端を知る大変貴重な時間となりました

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3名ともご自身の研究に誇りをもち、いきいきと話されていた姿が心に残りました。
研究者交流会の後には、「野のはなハウス」にて受賞者を囲んで懇親会を開催しました。
大学での生活や研究の話に花が咲き、和やかな交流が行われました。

ののはな2

集合写真懇親会の様子

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▼アンケートより▼

・本学のもっといろいろな分野の研究者の方々のお話を聞きたいです。

・交流会に参加するまで、このような女性支援制度があったということ自体知らなかった。

・女子学生にとってもよい刺激が得られる機会だと思うので、今後も続けてもらいたいと思います。

・男性の自分には考えることのなかった問題や課題を新しく聞くことができて興味深かった。

・大変な環境の中でも研究されているという話を聞けて勇気づけられました。

・受賞者の方々のお話を聞き、男性とは違う視点をもって研究生活を送っていると感じた。

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