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【レポート】学内委員研修「大学におけるセクハラの防止と対策」を開催しました (平成27年10月28日)

イベント
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平成27年度第2回人権問題委員会委員研修
「大学におけるセクハラの防止と対策」

 

日時:平成27年10月28日(水)

場所:大阪市立大学 学術情報総合センター10階 大会議室(LSS)

講師:牟田 和恵さん(大阪大学大学院人間科学研究科教授)

参加者:27名

開催報告
平成27年度第2回人権問題委員会委員研修(女性研究者支援室メンター講習)を開催しました。大阪大学大学院人間科学研究科の牟田和恵教授を講師に迎え、「先生、その言動はセクハラです!-大学における実効的な対策のために―」というテーマで講演が行われました。主に、大学やオフィスでの具体的な事例の概要、各々のハラスメントの問題点の理解、ハラスメント後の対処法や救済措置に関する解説がなされました。

写真:牟田講師 講演の様子

写真:牟田講師 講演の様子

牟田講師によると、「セクシュアル・ハラスメント」の大きな問題として、男性の加害者(ハラッサー)と女性の被害者の間に「認識のずれ」があるそうです。たとえば、セクハラの男性のハラッサー側にとっては、「触ったのではなく、手をおいただけ」という軽度な認識をしているときが多々あり、このような認識の行き違いがセクシュアル・ハラスメントの根本的な問題となっていることが説明されました。また、報道の影響によって、セクシュアル・ハラスメントの捉え方に誤解を生じさせる例も挙げられました。実際のセクシュアル・ハラスメントは、「微妙で複雑な現れ方をするもの」であり、男性側は、合意・同意のうえであると信じ切っている場合も少なくなく、なかには恋愛関係だったと思い込んでいる場合さえあるとされています。

セクシュアル・ハラスメントの顕著な特徴として、「合意の強要」という問題が示されました。ハラッサー側は、はっきりと言葉に出して脅しておらず、その場の流れと雰囲気のなかで相手を威圧する形で、「合意」というものを強要しているとのことです。ハラッサーと被害者の間に上下関係が存在する場合、被害者側は、何も発言することができず、ただ黙っていただけであるにも関わらず、「合意」したと解釈されてしまうそうです。

セクハラの場合、その行為自体は軽いものであっても、セクハラによって引き起こされる「被害」の方が深刻になる場合が多いため、その後の人生設計が変わってくることが、最も大きな被害となるということが強調されました。さらに、相談を受けたとき、真偽をあきらかにしてから対応していたのでは、手遅れになり、被害が悪化、事件化していくため、ハラスメントと認識できなくとも、早急に研究環境の保全をする措置が必要であると指摘しました。さらに、大学、オフィスでは、権力関係があるので「中立」ではなく、「公正」な態度で措置を取るべきと話されました。

質疑応答では、会場から、相談体制の整備の問題、セクハラ、パワハラ、アカハラの違いについての質問がありました。牟田講師から、相談窓口については、まず、相談できる「場所」「時間」等を明示し、相談者が相談に来やすい環境を確保することが必要であるという回答がありました。また、セクハラ、パワハラ、アカハラの違いについては、同一の事例にセクハラとパワハラという両方の要素がある場合も多く、セクハラとパワハラとアカハラは重なり合っているが、セクハラには法令として防止や対策が定められており公的な裏付けがあるという点で違いがあると説明されました(なお、パワハラについても、厚生労働省が取り組みを始めています)。

本講演では、大学内におけるセクシュアル・ハラスメントの具体的な事例と理解の方法について学ぶことができました。ハラッサー側のセクシュアル・ハラスメントに対する認識の誤りや、被害者が直面する現実的な問題が挙げられ、ハラスメントそのものに対する理解が深まるだけでなく、被害者に対する適切な対処について考えることができる貴重な機会となりました。

写真:会場の様子