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女性研究者インタビュー Vol.3 村上晴美先生

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Profile

1964年生まれ。京都大学文学部(心理学)、富士通、英国UMIST計算機学科、NAIST情報科学研究科などを経て、大阪市立大学教員。M.Sc., 博士(工学)。専門は情報学。主な研究テーマは(1) 個人の人生の記録(人物に関連する情報の蓄積)、(2)図書館における情報検索。専門分野は、情報工学、図書館・情報学、認知科学・心理学にまたがっている。

1.研究との出会

記録を通して人のことが知りたい

専門は情報学(情報検索)で、現在の主な研究テーマは「個人の人生の記録」です。人物に関連する情報を蓄積することにより、情報学的に「人物の理解」と「人生」を支援したいと考えています。誰もが、「大切な記憶を失いたくない」「他人や自分のことをもっと知りたい」「幸福になりたい」と一度は思ったことがあるのではないでしょうか。そうした子どものころからの素朴な、でも、おそらくは人類共通の「思い」を研究にしたいと思ったのが原点です。
高校のころ、勉強が好きで将来は教員になりたいと漠然と考えていました。ただ実際に憧れの京都大学文学部に入学してみたら、学びたかった哲学はちんぷんかんぷんだし、同級生はみんなすごく頭が良い。結局、勉強からは脱落し、3年間卓球ばかりしていました。4年の春には部を引退し、就職もほぼ決まったので、卒業研究「歌の記憶」に取り組みました。記憶の記録を通して人間を知りたいと思ったのです。一度は社会に出るけれど、将来、大学教員になって研究をしたいという思いを抱きました。

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いろんな職種・分野を経験

大学卒業後は、富士通株式会社でシステムエンジニアになりました。卒論のときに学んでいた認知心理学という考え方がコンピュータと関連していた、というのもありましたが、当時は男女雇用機会均等法施行前で、卓球ばかりしていた文学部出身の女性を雇ってくれる業種にあまり選択肢がなかったということもあります。約6年働いた後、イギリスに留学する機会を得て、UMIST(マンチェスター科学技術大学)計算機学科に進学しました。会社では「地図検索システム」が専門でした。帰国後しばらく富士通で働いていたのですが、もっと研究したいという欲が出て、できたばかりの奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科(NAIST)の博士後期課程の1期生として入学しました。NAISTでの専門は「人工知能」です。記憶支援やWeb検索の研究を行い、学位を取得。D3のときに、本学学術情報総合センターの公募があることを聞き、応募しました。このとき「図書館情報学部門」に採用されたため、図書館情報学の研究も行うことになりました。2003年には、創造都市研究科に異動(学術情報総合センターは兼任)し、現在に至っています。ということで、異動するたびに新しいテーマにも取り組み、専門は情報学なのですが、分野は情報工学(人工知能)、認知心理学、図書館情報学にまたがっています。どれも、記憶(情報)の検索につながっています。

2.ほっとするとき・こと・ものは?

休日の過ごし方

今、夫は東京に住んでいます。そのため、月4回ある週末のうち、2回は大阪または東京で、二人で過ごしています。大阪では一緒に食料の買い出しに行ってごはんを作って食べたり、テレビを見たり、という貴重な「普通の」生活をしています。東京では、主に外食デートです!最近のベストワンは東京駅近くのカレーでした。あとは、大阪に住む両親や友人と過ごしたり、仕事やイベント、地域活動に出たりしています。月に1回は一人で好きなことをしています。することはその時々で違いますが、家の掃除だったり、買い物だったり、温泉だったり、さまざまです。特に、温泉は大好き。1日かけてゆっくりお湯を楽しみます。

卓球とテニス

週に1回くらい、春と秋はテニス、夏と冬は卓球をしています。テニスと卓球の両立が目下の悩みです。テニスは大学の教職員テニスクラブで。卓球は卓球場や、高校・大学卓球部のOB会等に参加しています。研究と同じで、一つに専念できないのですね…でも、力を入れるところと抜くところをつくって、プレイしています。

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かわいいものをキーワード検索

Googleの画像検索でかわいいものを検索します。キーワードとしては「柴犬」「ピカチュウ」がお気に入りです。特に、犬派なので、いろんな写真を見て、たまにリラックスしています。

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3.女性研究者のメッセージ

世の中は変わると思います

本来は研究に限らず仕事において、男性と女性を区別すべきではないと考えています。女性という属性に関係なく研究者は成果で評価されるべきで、甘えてはいけません。でも、現実問題として、研究者は非常に女性が少ないです。さらに理工系の上位職には少ないです。研究者特に上位職に女性が増えれば世の中はかわると思います。だから、しばらくの間は、女性枠とか言われても、少しでも多くの女性に研究者になってほしいし、すでに研究者になった女性にはぜひがんばって成果を出してほしいし、応援したいと考えています。私も甘えずに今後も挑戦し、がんばりたいと考えています。