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サポーター紹介 vol.2 大滝(松田)宏代

大滝宏代(戸籍名:松田宏代)
複合先端研究機構 研究員

Q1.まずは、自己紹介をお願い致します!

初めまして、大滝(松田)宏代です!
2014年1月から、複合先端研究機構の藤井准教授の下で、研究員・研究支援員として勤務しています。
それ以前は第1子の出産・育児のため、約1年間休職していました。
大阪に来たのはこの大学に勤務する約1年前の2013年です。
結婚して姓が大滝から松田に変わったので、大学では松田さんと呼ばれていますが、投稿論文や学会発表のときには旧姓の大滝を名乗っています。

私が博士課程だった時の研究は、微生物の種間相互作用や物質循環を明らかにする事(微生物生態学)でした。
具体的には、温泉(高温環境)に存在する微生物の水素を介した相互作用について研究し、2012年3月に首都大学東京にて博士(理学)を取得しました。
一般に研究というと、“白衣を着て室内で実験”という姿を想像されるかもしれませんが、私の場合は室内の実験だけでなく、調査のため長野県の中房温泉にも行っていました。研究対象が「温泉にいる微生物群集」だったので、それを採取するためです。多い時には月1回のペースで調査へ行っていました。

微生物というと、顕微鏡をイメージする方が多いかと思います。たしかに実際に顕微鏡はよく使いました。ですが、私が対象にしていた微生物(細菌)は、細胞の大きさが1μm程度で、形は球や楕円のものが大多数なので、形状で種の特定はまずできません。そのためほとんどの微生物種の同定は、顕微鏡ではなく遺伝子解析を用いて行っていました。

Q2.女性研究者支援室や女性研究者研究活動を知ったきっかけについて教えて下さい!

大阪市立大学の女性研究者支援室を知ったきっかけは、私を元々雇用していた藤井准教授が「女性研究者研究活動支援員制度」利用され始めた事でした。それを機に、藤井グループの研究員としてだけでなく、研究支援員としても勤務することになりました。
藤井先生を通して、学内にある「杉の子保育園」のことも知りました。勤務を始めたときには、月極保育を始める前だったので、同園の一時保育制度を利用したこともあります。

私の勤務や子どもの保育園のお迎え時間が都合のつく場合には、女性研究者支援室主催のセミナーやシンポジウムに参加することもあります。最近では、SNSをテーマにした『第3回研究者交流会』と『ロールモデルセミナー』に参加しました。『ロールモデルセミナー』での劉慶先生の実体験(息子さんとの繰り返しの愛情確認)のお話は、自分の育児にも活かせる内容で大変良かったと思います。

Q3.現在、どんな研究・活動に取り組んでいますか?

私が所属する藤井准教授のグループでは、光合成色素の光合成機能を発現する構造の解明を目的として、研究を進めています。研究試料は、海洋性藻類(オキナワモズク、モツレミル)を使っています。これらの藻類は、緑色植物が使えない青緑色の光を有効活用するという特徴を持っています。
私がこのグループの中で担当している事は、藻類からのタンパク質精製と、実験試料として使う藻類の培養の立ち上げです。特に培養の立ち上げは、数年前から計画されていたそうなのですが、藤井先生自身がご多忙ため、なかなか着手できずにいたそうです。私が培養の立ち上げを始めた頃は、藻類が思ったように生育せず試行錯誤の連続でしたが、着手から半年経った2014年の10月頃から軌道に乗り始めました。現在では、培養した試料を使って学生さんが分析をしています。目に見えた成果があると、うれしいですし、モチベーションもあがります。

実験中の風景
研究活動時の様子

研究支援員としての業務は、先ほど挙げた実験補佐が中心ですが、その他に、論文検索・研究レポートの作成・研究室運営・科学研究費報告書の作成・予算管理の補助、と多岐にわたります。

また、これらの勤務の合間をぬって、私のこれまで研究成果を投稿論文として執筆しています。仕事から帰った後や土日は子どもの面倒を見なければならないので、夜子どもが寝た後や、夫が面倒見てくれる時間を使って作業しています。今は学生の時のようにまとまった時間をとることができず、思うように作業を進められない事が多いですが、時間の使い方を見直すいい機会になっていると思います。

Q4.博士課程では微生物を対象に研究されていましたが、その分野を志したきっかけは何ですか?

理系を選択した理由は、座学より実験のほうが好きだったからでしょうね。高校2,3年生のときに、化学を教えてくださった大嶋先生のおかげで化学が好きになりました。また、実験の時間が、すごく楽しかったのを覚えています。そのころから大学に進学したら、もっと本格的に実験できる学科がいいな、と考え始めました。

微生物学を選択した理由は、それが高校ではあまり取り上げられなかったからです。微生物は発酵食品・環境浄化・医薬品など様々な身近なモノに利用されていて、それについてもっと詳しく知りたいと興味を持ったのも理由のひとつです。

Q5.研究者を目指すきっかけについて教えてください!

修士2年の時に初めて行った国際学会が大きなきっかけになりました。自分のポスターを前にDave M. Ward博士に私の話を聞いていただき、同博士の意見をうかがえた事がきっかけです。同博士は、私も研究していた「温泉の微生物群集」の研究分野で多くの業績を挙げておられ、私が産まれる前から研究論文を発表しているような方です。このように、どんなに年上でも、たとえ国が違っても、自分の研究があればこうして話す事ができる。なんておもしろそうな世界なんだろうと感じました。進学した当時は将来自分が研究者になっている姿をイメージできませんでしたが、徐々にその手応えをつかんでいきました。

Q6.最後に、これからどんな事に取り組んで行きますか?

研究者としては業績がまだまだなので、それを積むために学生の時のようにバリバリ研究したいというのが本音です。現実は、第1子の育児や第2子を早く希望している事もあって、まだしばらくは低空飛行になりそうです。でも、研究はまだあきらめない・やめないです!!

最後にこちらでご報告させて頂きたいのですが、研究業務のかたわら2015年1月から女性研究者支援室でスタッフとして業務をお手伝いする事になりました。女性研究者支援事業が各地の大学で行われている事は、所属していた学会やその女性研究者コミュニティーを通して以前から知っていました。また、研究者としてのキャリアだけでなく研究者を支援する仕事にも興味がありましたので、実際にこちらで女性研究者支援室の業務にたずさわることができて、嬉しく思います。微力ながらではありますが、私の出産育児の経験が少しでもこちらで役立てたらと思います。

子どもと一緒に
子どもたちがみる未来の風景を…